世界大百科事典(旧版)内の素朴絵画の言及
【素朴画家】より
…このような画家はどの時代にも存在したであろうが,20世紀になってフランスの評論家ウーデWilhelm Uhdeによりその存在意義が見いだされたのをきっかけにして,各国で多くの素朴画家が発掘され,注目をあびるようになった。19世紀後半以来,ヨーロッパで西欧文明崩壊の危機感が生まれ,それにともないプリミティーフな世界,素朴(ナイーフ)な世界への希求が高まり,あらゆる制約から解き放たれたかにみえる〈素朴絵画〉が人々の目に新鮮なものとして映ったのである。素朴画家たちは古典的遠近法や明暗法にとらわれることなく,日常生活のごく平凡な光景,あるいは見なれた街角の風景などを,細密な描写と鮮烈な色彩によって表現した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」