世界大百科事典(旧版)内の組織規範の言及
【法】より
… 強制的制裁は,伝統的に,法体系全体の構造や機能の理解において重要な位置を占めてきているが,現代社会における法の構造的変容や機能の多様化に伴って,強制的制裁と各種の法規範やその機能遂行との関連について再検討を迫られているところが多い。すべての法規範を強制的制裁を基軸として一元的にとらえようとするアプローチは,法における強制の契機を過大評価し,強制的制裁と直接関連しないことの多い法規範(組織規範,権能付与規範など)の独自の機能を正当に位置づけることができず,法の全体的構造を的確にとらえることができなくなっている。また,法の機能を強制的制裁による威嚇やその実行に焦点をあわせてとらえるアプローチも,市民をもっぱら法的社会統制の客体としてとらえ,法的機構を自主的に利用する主体としての市民という側面に正当な位置づけを与えていないという欠陥をもつだけでなく,資源配分機能をはじめとして著しく多様化した法の現代的機能全体を説明しきれなくなっている。…
※「組織規範」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」