世界大百科事典(旧版)内の経済摩擦の言及
【貿易】より
…もっとも日本の輸入拡大は輸出拡大に比べて小さく,大幅な貿易収支黒字になっている。このためアメリカ,EC(現EU)諸国を中心に,日本の工業品輸入,農産物輸入の拡大,市場開放を求める要求が強く,いわゆる〈経済摩擦(日米経済摩擦,日欧経済摩擦)〉として,大きな問題となってきた。1980年以降も輸出入量は増加し続けたが,輸出比率・輸入比率はともに低下し,9%台と4%近辺になっている。…
【保護貿易】より
…そして80年代に入ると,70年代の経済的混乱の影響による世界的な不況の深化を背景に,GATTの努力やOECDの貿易自由化宣言にもかかわらず,いっそう保護貿易の傾向が強まっている。これは,日本からの輸出増大により,日・米間や日・EC間に貿易収支不均衡問題が発生し,同時にアメリカやヨーロッパで失業率が急増したこと(いわゆる貿易摩擦,経済摩擦)によるものである。もとより,このような傾向に歯止めをかけようとする主張も存在し,83年のウィリアムズバーグ・サミット(先進国首脳会議)においても,少なくとも表面的には自由貿易体制の維持が合意されている。…
※「経済摩擦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」