絞油業(読み)しぼりあぶらぎょう

世界大百科事典(旧版)内の絞油業の言及

【油】より

…そのころ原料もエゴマ・ゴマからナタネへと重心が移り,さらに綿実(わたざね)も登場して,ナタネから絞った水油と綿実から絞った白油が近世の油の主流となった。江戸・大坂の需要に応ずる近世の絞油業は,まず大坂長堀川に臨む船場・島之内と天満を中心に展開し,また1705年(宝永2)摂津平野郷には綿実絞油屋が28軒を数えた。14年(正徳4)に大坂へ積み登された商品中,価額の大きいものとして米に次いでナタネ(登せ高15万1000石,銀28万貫)があり,また大坂より諸国へ積み下した商品の筆頭は水油であった。…

【油問屋】より

…この時代の油市場の中心は大坂であり,政治的には江戸市中での照明用として灯油の需要を満たすことが最重要な課題であった。大坂における油市場成立の背景には,大坂およびその周辺地域での絞油業がいちじるしく展開したことが影響している。大坂の油の流通機構として,絞油原料であるナタネ,綿実を扱う両種物問屋と,油そのものを取り扱う油問屋がある。…

※「絞油業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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