世界大百科事典(旧版)内の統合化の言及
【ソーシャル・アドミニストレーション】より
…しかし1950年代には,実践からさかのぼってその行政さらには政策を視野に入れ,それらのあり方を問うところに関心が移行し,福祉の社会化が主要課題となる。施設収容ケアに代わってコミュニティ・ケアが志向され,その流れはやがて障害者,高齢者のノーマライゼーションないしインテグレーション(正常化,統合化と訳される。高齢者,障害児,障害者について,従来とかく家庭生活,教育,雇用など通常の社会生活の場から引き離して福祉を図ってきたのを改めて,正常な社会生活に統合したなかで福祉が保障さるべきだとする理念)につらなってゆく。…
【福祉社会】より
…本来〈必要の王国〉と〈自由の王国〉とを区分するために考えられたシビル・ミニマムが,かえってどこまでも公の責任を追及するスローガンに変質したのも,けだし当然であった。コミュニティ・ケア,ノーマライゼーションないしインテグレーション(正常化,統合化)――高齢者,障害児,障害者について,従来とかく家庭生活,教育,雇用など通常の社会生活の場から引き離して福祉を図ってきたのを改めて,正常な社会生活に統合したなかで福祉が保障さるべきだとする理念――といった地域ケアの理念も,コストのかかる施設ケアを支える公的責任を回避して,安上がり福祉を目ざすものと非難されることが多かった。 日本では,経済システムも早くから日本株式会社といわれるほど官民一体型であり,もともと自由市場経済の基盤が弱いところへ,社会主義の立場からもひたすら福祉国家が追求されてきた。…
※「統合化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」