世界大百科事典(旧版)内の絶対格の言及
【主語・述語】より
…ヨーロッパ諸言語の場合は,意味的に前掲[1]‐(1)に当たる文成分(以下単に〈仕手〉と呼ぶ)は,動詞が自動詞の場合にも他動詞の場合にも形態的に同じ格((4)で述べた主格)で示され,他動詞の場合には,その動作を受ける意味をあらわす文成分(以下〈受手〉と呼ぶ)がこれとは別の格(いわゆる対格(目的格))で示されるのに対し,能格言語ではこうではない。すなわち自動詞の場合の〈仕手〉と他動詞の場合の〈受手〉とが形態的に同じ格(主格あるいは絶対格と呼ぶ)で示され,他動詞の場合の〈仕手〉がこれとは別の格(能格と呼ぶ)で示されるのである。つまり他動詞の場合には意味上の〈仕手〉と形態上の主格とが合致しない((1)(4)の基準が合致しない)わけで,いずれを主語と見るかが問題となるのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」