世界大百科事典(旧版)内の綺堂物の言及
【岡本綺堂】より
…初期の史劇から晩年の世話物,喜劇まで,その多彩な196編の戯曲は,質量ともに黙阿弥以後の第一人者といってよい。近代的自我の主張を伝統的な歌舞伎の技法に生かし,年とともに枯淡な詩情を加えた独自の〈綺堂物〉と呼ばれる作品の多くは,今なお生命を失っていない。前記以外に《箕輪の心中》《室町御所》《佐々木高綱》《尾上伊太八》《鳥辺山心中》《番町皿屋敷》《小栗栖の長兵衛》《新宿夜話》《権三と助十》《相馬の金さん》《天保演劇史》等の代表作がくりかえして上演されている。…
※「綺堂物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」