縁約の原理(読み)えんやくのげんり

世界大百科事典(旧版)内の縁約の原理の言及

【家】より

…しかし,日本の社会結合原理は強かった。中国系アメリカ人の人類学者シューF.L.K.Hsu(1909‐ )はそれを〈縁約の原理〉とよぶ。契約性と血縁性をもつからである。…

【日本社会論】より

…イエモトにおいても,世代的な序列関係が,制度として固定化されるが,それ自体は,目標志向団体として加入希望者をかなり自由に受け入れ,またそこからの離脱をも認めている。 シューの見解に従えば,日本の〈原組織〉イエモトの編成・運用原理は,それの複合的な性格を反映した〈縁約の原理kintract principle〉ということになる。それは,中国の〈原組織〉である〈族(ツウ)〉における〈親族の原理kinship principle〉と,欧米の〈原組織〉であるクラブ(自由結社)の〈契約の原理contract principle〉との折衷であって,血縁集団におけるような,固定化されたヒエラルヒー的秩序への自動的な全面参加と,自由結社への義務づけられた限定参加との接合化された形態を指している。…

※「縁約の原理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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