縦強度(読み)たてきょうど

世界大百科事典(旧版)内の縦強度の言及

【港湾荷役】より

… 積荷計画にあたっては船,貨物,人命の安全を考慮して,貨物の種類,性質,荷姿,寸法,容積などに対応した船内積付区画の準備,貨物重量に対応した荷役装置の選定,荷役中および航海中の船体の安全をつねに確保できるような貨物の船内重量配分の決定などが行われるが,なかでも船体安全性確保の基本となる貨物の船内重量配分はとくに重視される。船体前後方向の重量分布は縦強度,縦傾斜(トリム),縦揺れ(ピッチング)と密接に関係がある。縦強度の安全確保(船体破損,折損事故の防止)のためには,船体に大きな曲げ応力を及ぼす船体中央部または船首尾端部への集中かつ不連続な積載は避けなければならず,また耐航性能上,極端な船首トリム(船首喫水が深い状態)や船尾トリム(船尾喫水が深い状態)は避け,一般的にはトリムなしかやや船尾トリムの状態にする。…

【船体強度】より

… 以上に述べた全体強度の扱いは,新形式の構造法の採用時などに用いられる,精度のよい合理的な方法であるが,実行には相応の手数と費用を要する。そこで,波浪中の断面力を求めるのに,通常の構造法の場合は,従来の理論や実船計測の成果を基礎として,鉛直面内に生ずる縦曲げモーメントとせん断力による全体強度(これを縦強度という)の検討を行う。この場合には,船体の主要寸法である長さ,幅と船体の没水部の肥瘠(ひせき)度を表す方形係数とによる算式に係数を乗じた近似式によって,鉛直面内に生ずる縦曲げモーメントと縦せん断力の変動分の長期にわたる大きさを評価するとともに,長さ方向の分布を仮定する。…

【船体構造】より

… 貨物を積載し,ときには荒天を航行する船は,波などから受ける外力によって損傷などの事故が生ずることのないように,構造安全性に関して必要十分な船体強度を保持しなければならない。この船体強度は,便宜的に縦強度,横強度,局部強度に分けられる。縦強度は,船体を長さ方向に断面が変化する1本の梁とみなしたときの船体全体としての強度,横強度は,船倉部分を板構造,あるいは骨組構造と考える部分構造(さらに単純化する場合には,船体をその長さ方向の一構造単位分だけ輪切りにして得られる構造)の強度,局部強度は,船倉内部,船首尾部,機関室部分などの板や骨に関する強度である。…

【舟∥船】より

…甲板上には船楼および甲板室を設け,操舵室,居住区,倉庫などにあてている。 船の強度は横強度(部分構造強度,局部強度ともいう)と縦強度(全体強度)の両観点からの検討を行う。小型船の場合,横強度を満足する船は縦強度も十分満足するが,大型船になるほど縦強度の検討が重要となる。…

※「縦強度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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