老中御書付(読み)ろうじゅうおかきつけ

世界大百科事典(旧版)内の老中御書付の言及

【書付】より

…文字などを少し書き記したものを広く書付と称したが,江戸時代には幕府や大名家で上からの下達・申渡しや下からの伺い・意見を記した公式文書に〈御書付〉の呼称が用いられた。とくに江戸幕府が大名らに指令を下す場合,初期には老中奉書をもってなされたが,元禄時代ごろになると,より簡便な様式を有する老中御書付がこれに代わっていった。老中御書付は奉書紙を横半截した切紙の形をもち,伝達内容のみが記され差出・宛所の記載も省略されており(宛所の必要なものは文書の袖に記される),老中よりの口頭伝達を文字化した覚書としての性格をもっていた。…

【老中】より

…日常は江戸城中の御用部屋で,実務を担当する右筆(ゆうひつ)を指揮して政務を執るが,月番(つきばん)制になっており,大事は老中一同の連署で,小事は月番の老中1人の判によって執行された。日常的な命令の通達は老中から大目付に手渡される〈老中御書付(おかきつけ)(書付)〉などによって,諸大名,奉行などを経て全国に触れ流された。老中のうち1人が勝手掛(かつてがかり)となって幕府財政を主管したほかには,老中の間で所管の分掌はなかったが,1867年(慶応3)月番制を廃し,国内事務総裁,会計総裁,外国事務総裁,陸軍総裁海軍総裁の5総裁が分掌,専管することとなった。…

※「老中御書付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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