世界大百科事典(旧版)内の老人成の言及
【大人∥乙名】より
…1492年(明応1),近江国蒲生郡奥島荘掟にさた人・政所とともに〈おとな〉の3人が署判を加えているし,1467年(応仁1)丹波国桑田郡山国荘の沙汰人地下長男が署判して,共有山林を枝郷に売却している。 近江国得珍保(とくちんのほ)今堀郷の宮座において,1488年(長享2)に6人の老人が宮座の負担を免除されているが,この6人の老人は老人成(官途成(かんとなり))を通過した者のうちの年齢上位者である。この長男成・老人成とは村落共同体の若衆が一定の年齢階梯に達したとき,規定の負担を全うすることによって老人衆の集団に入る儀式をいい,村人成(もろとなり),官途成,大夫成,衛門成,兵衛成ともいって,たとえば,左近将監,五郎大夫,太郎左衛門,二郎兵衛などの名称が共同体内で公認されるのであり,江戸時代にはこの名称が家固有の屋号になるものもあった。…
【老若】より
…〈老若男女〉〈貴賤老若〉というように,本来はすべての人を意味する語句であるが,江戸時代の共同体社会では,おとな(老人)と若衆とを指し,二つの年齢集団を意味する用語である。若衆は15歳前後から老人になる以前の若者集団,老人は老人成(官途成)の儀礼を通過したものをいう。老人と若衆とは共同体社会での発言権に格差がつけられている場合がある。…
※「老人成」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」