最新 地学事典 「考古地磁気学」の解説
こうこちじきがく
考古地磁気学
archeomagnetism
遺跡で見いだされた考古学的な遺構・遺物から試料を得て,それらがもつ残留磁化の測定から,歴史・考古時代の地磁気の変動を明らかにする古地磁気学の一分野。地磁気の観測が始まる以前の地磁気永年変化に関する情報は古地磁気学的手法を用いて測定することができるが,その中でもっとも最近の時代をカバーする。おもに窯跡や炉跡などの焼土遺構,あるいは陶磁器や煉瓦などがもつ熱残留磁化を測定する。地磁気は地球上の位置ごとに異なるが,日本では過去2,000年間について考古地磁気永年変化が得られており,年代が未知の遺構から得られた古地磁気方位と比較することで,遺構の年代を推定することができる(考古地磁気年代推定法または考古磁気編年)。また熱残留磁化獲得時の試料の変質は火山岩と比べ少ないため,絶対古地磁気強度推定の材料としても適する。ほかに考古学的な応用としては,段階熱消磁よる熱残留磁化成分の分離から遺構遺物の被熱履歴を調べることもできる。
執筆者:広岡 公夫・畠山 唯逹
参照項目:地磁気永年変化
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

