帯状疱疹とは、過去に
神経走行に一致して帯状に皮疹が現れることにより、この名があります。とくに水疱が
顔面神経
耳周囲や耳後部の違和感・鈍痛が現れ、数日後に耳介や外耳道の周囲に紅斑を伴った小水疱が現れます。顔面神経麻痺、内耳神経症状(難聴・めまい)を伴います。
外耳道を中心とする典型的な水疱性発疹を確認することで、診断は容易です。確定診断には、血清抗体価や特異的IgMの上昇を測定する方法や、モノクローナル抗体を用いたウイルス抗原を検出する方法があります。
抗ウイルス薬(アシクロビル)と、顔面神経麻痺に対する抗炎症・抗浮腫の目的で副腎皮質ステロイド薬が用いられます。痛みに対しては、消炎鎮痛薬のほか三叉神経痛治療に準じてカルバマゼピンの内服や
耳性帯状疱疹に合併した顔面神経麻痺は、不全麻痺(完全治癒にいたらず、わずかな麻痺が残る)や病的共同運動(目を閉じようとすると口元が引きつれる)などの後遺症を残すことがあるので、早期に耳鼻咽喉科専門医の診察を受けてください。
立本 圭吾
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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