世界大百科事典(旧版)内の聖槍の言及
【ロンギヌス】より
…ヤコブス・デ・ウォラギネ《黄金伝説》(13世紀)によれば,刺した瞬間に起こった天変地異を見て回心し,さらに槍を伝って落ちてきたイエスの血により弱っていた視力を回復したのち,カッパドキアのカエサレアで宣教に専心,同地で捕らえられ偶像崇拝を拒否して斬首されたという。伝説ではイエスを刺した槍は,のちコンスタンティヌス1世の母ヘレナによって聖十字架,聖釘とともに発見され,6世紀以降のロンギヌス崇敬と結びつきさまざまの〈聖槍Holy Lance〉伝説を生むことになる。一説にはアリマタヤのヨセフが〈聖杯〉と〈聖槍〉をイングランドにもたらしたといわれ,アーサー王伝説の中にもとり込まれた。…
※「聖槍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」