世界大百科事典(旧版)内の職務交替の言及
【労働の質】より
…実験的アプローチを通じて社会―技術システムsocio‐technical systemsを開発したイギリスの産業心理学者トリストEric Trist,細分化された労働の問題点と対応策を研究したフランスの労働社会学者フリードマンGeorges P.Friedmann(1902‐77),自動車工場の流れ作業の実態を調査したアメリカの社会学者ウォーカーCharles R.WalkerとゲストRobert H.Guestらは,初期の代表的研究者である。 このような研究と実践を通じて開発された職務拡大(ジョブ・エンラージメント),職務交替(ジョブ・ローテーション),職務の充実(ジョブ・エンリッチメント),自律的作業集団autonomous work groupなどの方策が脚光を浴びたのは,1960年代半ばから70年代初めにかけての時期である。豊かな社会の実現による価値観の変化,失業の減少と労働市場の売手市場化,労使関係における労働者組織の発言権の増大などを背景とする,単調労働への不満の広がり,無断欠勤(アブセンティイズム)の増大,労働移動の急増,山猫ストの発生などの病理現象への対応策として,スカンジナビア諸国をはじめ世界各国の工場・職場で実践に移された。…
※「職務交替」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」