世界大百科事典(旧版)内の脂肪塞栓症の言及
【骨折】より
…また,ときには鋭利な骨片によって血管が損傷されることがある。骨折による骨髄損傷のほか,なんらかの原因によって脂質が脂肪滴となり,流血中を流れ栓子化して血管や毛細血管を閉塞することがあり,これを脂肪塞栓症という。全骨折例の1%内外に生じるといわれており,致命率も高い重篤な合併症である。…
【塞栓】より
…塞栓の大部分は血栓であるが,そのほか細胞や組織塊,脂肪,色素,寄生虫体および虫卵,細菌塊,ガスまたは空気であることもある。脂肪塞栓症は,骨折や手術のときに,骨髄の脂肪や脂肪組織の脂肪が血管内に入り塞栓となるものである。ガスまたは空気による塞栓症はガス塞栓症といい,外傷や手術のときに静脈内に空気が吸引されることによる場合や,潜水病または潜函病のように,急激な気圧の変化により血中の窒素ガスが急激に遊離して血管内で多数の気泡となり小血管を閉塞しておこる。…
※「脂肪塞栓症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」