世界大百科事典(旧版)内の脳死説の言及
【殺人罪】より
…人の終期についても定説がないが,人工生命維持装置など各種医療技術の発達に伴い,その規準の定立がきわめて実践的な問題となってきている。例えば,いわゆる植物状態からの生命維持装置の除去や脳死状態の者からの移植のための心臓摘出等は,脳機能の不可逆的停止をもって人の終期とする脳死説の立場からは殺人とはならないが,なお社会通念上大きな反発を呼んでいるのである(〈臓器移植〉の項参照)。 殺人罪に関連する特殊な犯罪類型として,刑法は,人を教唆もしくは幇助(ほうじよ)して自殺させる罪(自殺関与罪)と,被殺者の嘱託を受けもしくは承諾を得てこれを殺す罪(嘱託殺人罪,承諾殺人罪)を定める(202条)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」