世界大百科事典(旧版)内の臧晋叔の言及
【雑劇】より
… しかし,元雑劇の精彩に富む作品は,関漢卿,馬致遠,王実甫,白樸,鄭廷玉,楊顕之,紀君祥らおよび書会に属する無名氏を含めて,ほとんど前期の作家に集中し,後期に至ると,鄭徳輝,喬吉ら文人的体質を帯びた作家が台頭し,彼らはむなしく歌詞の外面的な美しさをのみ競い,明代の人たちにこそ欣賞されたが,すべての人が共感する真実を写す気魄を欠き,雑劇文学は14世紀の30年代を待たず急速に落してゆく。テキストには元刊本も現存するが鑑賞にたえず,明の臧晋叔(ぞうしんしゆく)編《元曲選》が,編者の功罪相半ばする批判がありながら,一応整理されて読みやすいために普及度も高い。なお,〈元曲〉という呼称は雑劇のほかに,その歌詞部分と同質の独立の歌謡形態〈散曲〉の元人作品をも併せ称することに注意されたい。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」