《自然の法典》(読み)しぜんのほうてん

世界大百科事典(旧版)内の《自然の法典》の言及

【モレリー】より

…初期作品では感覚論に立脚した教育哲学を説いたが,50年代に入って思想が先鋭になると同時にユートピア的性格を帯びる。14の歌より成る長編詩《浮島の遭難またはバジリヤッド》(1753年匿名出版)では完全平等の社会をうたい,さらに《自然の法典Code de la nature》(1754年匿名出版)では《バジリヤッド》に理論的根拠を与えて,〈神の調和〉に背く私有制を批判し,集団教育に基づく,あらゆる奢侈を排した合理的・楽観的な共産社会の構想を展開した。《自然の法典》はその急進的性格ゆえに長い間ディドロの作とされ,大革命期のバブーフらに大きな影響を与えたが,1841年にビルガルデルによって初めてモレリーの名誉に帰した。…

【ユートピア】より

… 進歩と啓蒙の18世紀においては,一般に自由で計画的なユートピアが語られ,総じて未来への楽観的信頼が顕著である。モレリー《自然の法典》(1755),コンドルセ《人間精神進歩の歴史的素描》(1795)などは,厳密にはユートピア論とはいいがたいものの,理想社会の接近を読者に印象づけた。L.S.メルシエ《2440年,別名こよなき夢》(1770)はこの世紀の代表例である。…

※「《自然の法典》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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