自立論証派(読み)じりつろんしょうは

世界大百科事典(旧版)内の自立論証派の言及

【チャンドラキールティ】より

…空性の論証が自立的に成立するとする清弁(しようべん)の自立論証の思想と,認識が自立的に成立するとする唯識派の自己認識の理論を批判して,すべては相関的であるという空性の本義を高揚した。その立場は,チベットの伝承で〈自立論証派〉と呼ばれる清弁の立場に対し,自らは主張をもたずただ対論者の主張の過失を指摘することによって空性を論証すべきことを主張し,〈帰謬論証派〉と呼ばれ,特にツォンカパにおいて絶対視された。著書に,《入中論》《中論註プラサンナパダー》(両者ともサンスクリット原典現存)の二大主著のほか,《空七十論》《六十頌如理論》《四百論》などの注釈がある。…

【ブッダパーリタ】より

…470‐540年ころのインドの大乗中観(ちゆうがん)派の学者。仏護と音訳される。南インドに生まれ,清弁(しようべん)とともにサンガラクシタ(衆護)に就いて竜樹の教説を学び,空の思想を強調した。清弁が中観派と並ぶ大乗仏教学派である唯識学派との対抗上,師説に反して自派の主張を確立する立場(スバタントラ)を主張したのに対し,仏護は師とともに竜樹のプラサンガ論法(相手の論理の矛盾をつき,過誤を認めさせる帰謬論証法)を守って,《中論注》を著した。…

※「自立論証派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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