世界大百科事典(旧版)内の蓮華戒の言及
【ラマ教】より
…786年敦煌が陥落すると,その地から招かれた漢人僧摩訶衍(まかえん)が利他行を重視した不思不観の禅の教えを流行させたので,インド系仏教徒との間で宗論が起った。王はインドから寂護の弟子の巨匠カマラシーラ(蓮華戒)を招いて摩訶衍を論破させ,インド仏教を正統とした。 この論争では,中国仏教は,他を救うことを目的とした大乗仏教から自ら救われることのみをいう教えに変質していると指摘され,さらに,人間は本来仏の素質をもっているとする如来蔵思想の一つの傾向から禅宗の実践ではインド仏教の瞑想法に特有な教理に凝念する態度が捨てられ,不思不観が勧められたので,それでは般若の智慧が得られないとして非難された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」