世界大百科事典(旧版)内の薬師如来立像の言及
【平安時代美術】より
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[一木彫像の誕生]
この時代の冒頭を飾るものはいわゆる一木彫像(一木造)のいくつかの名作である。神護寺の本尊薬師如来立像と新薬師寺の本尊薬師如来座像にみる圧倒的な量感の表出と,前者のすさまじいばかりのきびしい表情や後者の大づくりな目鼻だちの明快さ,そして深く鋭い衣文の彫法など,それは前代までの彫像にはみられなかった表現で,新しい様式の誕生を感じさせる。前者が神護寺の前身である神願寺(河内国)の本尊であったとすれば,いずれもまだ奈良旧仏教の下で製作されたもので,8世紀までの作品と考えられる。…
※「薬師如来立像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」