世界大百科事典(旧版)内の薬禍問題の言及
【医薬品工業】より
…医薬品はまた医療用医薬品と一般用医薬品(いわゆる大衆薬)とに大別でき,前者は医師の指示のもとで使用され,後者は一般小売店で消費者が自由に購入できる。第2次大戦直後は大衆薬のウェイトが過半を占めていたが,(1)1961年から国民皆保険制度が発足し,しかも医療費のうち患者の負担がしだいに軽減され,医師にかかりやすくなったこと,(2)後述する薬価差益の問題から医療機関が薬の過剰投与をしがちであったこと,(3)1956年のペニシリン・ショック事件,61年のサリドマイド事件,65年の風邪薬アンプル剤事件,70年のキノホルム事件など薬禍問題が相次ぎ,大衆薬に対する不信が生じたこと,などの理由から,相対的に医療用医薬品のウェイトが高まった。近年の両者の比は生産額ベースで,医療用医薬品85%,大衆薬15%となっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」