蚯蚓描(読み)みみずがき

世界大百科事典(旧版)内の蚯蚓描の言及

【鳥居清信】より

…浮世絵師としての本格的な活躍は1697年(元禄10)ころから始まり,木版絵本に,あるいは墨摺絵や丹絵の一枚絵に,役者や遊女の大柄な姿絵を背景もほとんどなしに描き出してみせた。ことに,荒事(あらごと)を演ずる立役には〈瓢簞足(ひようたんあし),蚯蚓描(みみずがき)〉という誇張した筋肉表現や肥瘦の変化の大きな描線を用い,鳥居派のお家芸として定着させた。浮世絵の人物画像を洗練させ,役者絵と美人画という二大ジャンルを確立させた功績は大きい。…

【鳥居清倍】より

…元禄(1688‐1704)末年から享保(1716‐36)初年にかけての18世紀初頭,役者絵や美人画,花鳥画の版画(墨摺絵,丹絵)に,多くの傑作を生んだ。荒事(あらごと)歌舞伎の豪放な演技を写すにふさわしい〈瓢簞足(ひようたんあし),蚯蚓描(みみずがき)〉と呼ばれる描法は,清倍の創案にかかるかと推定され,役者絵を専門とする鳥居派の様式形成に大きく貢献した。鳥居家初代の清信との関係は明らかでなく,兄弟あるいは息子,さらに同一人とみる説もある。…

※「蚯蚓描」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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