世界大百科事典(旧版)内の蝦夷浄瑠璃の言及
【アイヌ】より
…一定の既知の語彙を巧みに組み合わせ,物語を神秘的にする。江戸時代には〈蝦夷浄瑠璃〉などと呼ばれ,幾晩にもわたって語られたが,この長大な〈人間のユーカラ〉も変容を重ね,従来の形を保持している伝承者は数えるほどになってしまった。
[語られるもの]
ウパシクマupaskumaは,樺太では説話のことをさすというが,北海道では先祖の遺訓をもとにしたものや,地名にまつわる伝承など,事物の由来や起源に関する知識を説明した言葉や説話をいい,他の〈語られるもの〉と区別している。…
【ユーカラ】より
…つねに勝利を得るので英雄詞曲と呼ぶ研究者もいる。江戸時代には蝦夷浄瑠璃(えぞじようるり)などと称された。金田一京助によって研究,紹介されて以来,ユーカラといえばこの〈人間のユーカラ〉を指すようになったが,アイヌ語では一般にサコロベ(サコルペ)sakorpe,ヤイエラプyayerap,ハウhawなどとも呼ばれている。…
※「蝦夷浄瑠璃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」