裁許絵図裏書(読み)さいきょえずうらがき

世界大百科事典(旧版)内の裁許絵図裏書の言及

【裁許状】より

…論所(地境論,水論など)では,絵図を作成して判決による区画を墨線で記入し,裏面に判決を書いて,両当事者に下付する。これも裁許状というが,〈裁許絵図裏書〉とも呼び,通常の評定公事では三奉行が連印し,国境・郡境にかかわる場合には老中も加印した。また金銭の給付判決では,裁許申渡しは〈日限(日切)済方(ひぎりすみかた)〉申付,すなわち一定期限付の債務弁済命令をその内容とするが,これに対して被告債務者は,判決遵守を誓約した〈日限証文〉(日限手形)を奉行所に提出する(金銭以外の給付判決でも同様で,例えば店立(たなだて)命令に対して被告は〈店立証文〉を提出する)。…

【裁判】より

…あとは下役の審理となるが,調書(口書(くちがき))に録取され,これによって奉行が裁許として申し渡した。地境論の場合は絵図を作成し,これに墨線で裁許の境を示し,判決はその裏に記した(裁許絵図裏書)。双方は連印して裁許請証文を出し,原告は訴状と返答書を下付され,これを継ぎ合わせて裏書の奉行印を抹消してもらい(消印),書類を奉行所に納めて訴訟を終わった。…

※「裁許絵図裏書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」