世界大百科事典(旧版)内の複合唱の言及
【合唱】より
…広義には集団による歌唱の形をいうが,狭義にはいくつかの声部に分かれて歌う形,とくにその各声部が複数の歌い手で歌われる形をさす。単一声部を複数の歌い手で歌う形態を斉唱(ユニゾン),各声部をそれぞれ1人で歌う形態を重唱,また独唱と合唱が掛合いをする形態を応唱,二つあるいはそれ以上のグループが互いに掛合いをする形態を交唱または複合唱という。一般に児童合唱,男声合唱,女声合唱,混成合唱があり,声部は2からあるが,ソプラノ,アルト,テノール,バスからなる混成4部が標準とされる。…
【ベネチア楽派】より
…サン・マルコ大聖堂は,いわゆるギリシア十字形に建てられていて,オルガンと聖歌隊が両袖廊にそれぞれ配置されていた。ウィラールトは,この構造を利用して,〈コーリ・スペッツァーティcori spezzati〉(分割楽団,複合唱,二重合唱)と呼ばれる書法を発展させた。コーリ・スペッツァーティでは,2群の楽団が相呼応しながら歌いかつ奏しつつ曲が進められ,最後に両楽団がいっしょになって壮大な盛上がりをみせる書法が好まれ,同時代の美術におけるベネチア派の絵画に対応する,華麗で色彩的な音楽が創り出されていった。…
※「複合唱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」