複合核模型(読み)ふくごうかくもけい

世界大百科事典(旧版)内の複合核模型の言及

【原子核】より

…このような原子核構造の研究は,加速器の発達や測定技術の改良で多くの精密な実験データが得られるようになったことにより長足の進歩を遂げ,集団運動の新しい記述法としての相互作用するボゾン模型や,非常に大きな角運動量をもつ状態の研究などが最近の原子核物理学における興味ある話題となっている。
[核反応による原子核の研究]
 一方,原子核も含む種々の粒子と原子核との衝突を扱う原子核反応の研究は,衝突による複合核の形成とその崩壊という描像に基づくN.ボーアの複合核模型から始まった。この模型は衝突の結果得られる種々の反応生成核の収量比を説明することに成功したが,さらにその理論的定式化は複雑な反応過程を扱う一般的手法としてのR行列理論に発展し,遅い中性子の反応で観測される鋭い共鳴準位を記述する手段を与えるとともに,エネルギーが高くなり多くの共鳴が重なり合う領域で有効な反応の統計理論を生んだ。…

【原子核模型】より

…質量数が10以下の軽い原子核中,質量数=4のヘリウム原子核(α粒子)は特別に安定であることから,ベリリウム84Be,炭素126C,酸素168Oなどの原子核はα粒子の複合体であるという考えがあり,これをαクラスター模型という。 原子核模型には以上のような構造の模型以外に,反応に関しての模型として,原子核に核子や原子核が衝突すると,入射エネルギーがたちまち全核子に広がって複合核を形成するという複合核模型,核子と,核または二つの核間の相互作用はポテンシャルで表されるとする光学模型などがある。前者は液滴模型に,後者は殻模型に対応するものである。…

※「複合核模型」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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