褶振峯(読み)ひれふりのみね

世界大百科事典(旧版)内の褶振峯の言及

【大伴狭手彦】より

…このうちことに欽明23年条の記事は,当時の朝鮮の状況からみて疑わしく,一本にいう欽明11年のこととしても,伝承としての誇張が考えられる。なお《肥前国風土記》松浦郡の条や,《万葉集》巻五の山上憶良の作歌および序には,狭手彦が渡海前にめとった弟日姫子(佐用姫)について,姫が別離を惜しんで領巾(ひれ)を振った褶振峯,狭手彦から贈られた鏡が沈んだ鏡の渡しなどの説話がある。【笹山 晴生】。…

【松浦佐用姫】より

…男が異国に出征するのを悲しみ,山に登って男に向かい領巾(ひれ)を振った伝説上の女性。サヨヒメに関する伝説は各地に多く伝えられるが,本来は水神に仕え,その生贄(いけにえ)となる女性であったらしい。古くは《万葉集》巻五にみえ,大伴佐提比古(さでひこ)が異国に出征するとき,松浦佐用比売が別れを悲しんで山に登り領巾を振ったと伝える。この山は肥前国松浦郡の褶振(ひれふり)の峯と伝え,佐提比古は《日本書紀》宣化紀に登場する大伴狭手彦(さでひこ)と理解されている。…

※「褶振峯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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