世界大百科事典(旧版)内の視空間失認の言及
【失認】より
…視覚失認にはそのほかに,物は見えるがなにものか認識できない視覚性物体失認(精神盲),情景画の細部はわかるが全体としてどのような場面かわからない同時失認,色をその種類と濃淡で分類できない色彩失認,指で文字をなぞれば読めるが,見ただけでは読めない純粋失読がある。視空間失認には,変形視,大視症,小視症などの視空間知覚障害,注視点が一定方向に固着し,ある一つのものしか見えないとか注視したものをつかもうとしても手が別の方向にそれてしまうというバリント症候群,視空間の半分とそこにあるものを無視し,無視したことに気づかない半側空間失認,家までの道順が描けない地誌的記憶障害,部屋の見取図が描けない地誌的失見当識がある。聴覚失認には音や音楽や会話は聞こえても,その性状や内容がわからないという型があり,それぞれ精神聾(ろう),失音楽,純粋語聾という。…
※「視空間失認」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」