世界大百科事典(旧版)内の賠償神経症の言及
【外傷神経症】より
…外傷を契機として生ずる心因性の神経症状態の総称。災害神経症もほぼこれと同じものであり,賠償要求や補償問題,年金などが発症に関係する場合(補償金や年金を多く獲得したいという願望が動機となって発症する)には,賠償神経症または年金神経症という呼称も用いられる。不安症状,抑鬱(よくうつ)症状,心気症状あるいは種々の身体的愁訴を示したり,ときにはヒステリー症状がみられたりする。…
【詐病】より
…賠償金獲得の目的では身体障害が偽られることが多いのに対し,精神病に基づく犯行は刑事責任が問われないため,犯罪者では精神病の偽られることが多い。疾患への無意識的な願望により生ずる賠償神経症や転換ヒステリーでも,症状形成によりなんらかの利益の得られることが多いが,患者には病気を装っているという意識はなく,これらは明白な目的のために意図的,作為的に演技される詐病とは区別される。しかし,はじめ意識的に疾患を装っていた者が,しだいに偽っているという意識を失い,症状が本人の意志から離れて自動的に出現するようになることもある。…
※「賠償神経症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」