走入(読み)はしりいる

精選版 日本国語大辞典 「走入」の意味・読み・例文・類語

はしり‐い・る【走入】

〘自ラ四〙
① 走って家の中へはいる。かけこむ。かけいる。
※竹取(9C末‐10C初)「竹取の翁、はしり入りていはく」
② (難を避けて)安全な場所に逃げ込む。
大乗院寺社雑事記‐明応六年(1497)七月二七日「高林在所へ走入継命了」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の走入の言及

【駆込】より

…欠入,走入とも称し,人に追われて逃げ場を失い,近辺の屋敷,寺院などに避難して保護を受ける行為,またそのような行為が社会的に定型化されたものとしての慣行をいう。日本の中世・近世社会に広く見られるものである。…

【走者】より

…逃亡を〈走る〉と表現する例は中世に広くみられるが,走者という語法はそれほど一般的ではない。その実態は被官・中間(ちゆうげん)・下人・百姓など多様であるが,逃散(ちようさん)のような組織的な公然たる抵抗をあらわす逃亡よりは,むしろ走入(はしりいり)・欠落(かけおち)など,負債や困窮を原因とする個別的なひそかな逃亡についていい,中世を通じてその例は多い。そのため村落の内部で〈はしり候者見かくし候はば,となり三間として御年貢納所仕るべし〉(《今堀日吉神社文書》)と,走者を隣人の連帯責任として規制した村掟もみられる。…

※「走入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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