世界大百科事典(旧版)内の超流動現象の言及
【極低温】より
…これらの秩序には極低温で出現するものが少なくなく,また,極低温で起こる場合には現象がきわめて量子力学的性質を帯びるために,物性研究の対象として極低温域は非常に興味深い。とくに,1911年カメルリン・オンネスによって発見された電気抵抗が0になる超伝導や,液体ヘリウムにおいてみられる粘性0で流れる超流動現象が,室温での知識からはまったく予想できなかった現象であったように,より低い温度の探究はまさに未知の世界の探検でもある。一方,超伝導の発見と,その後の技術的な進歩は,極低温を純粋に学問的興味の対象に止めず,超伝導発電機,磁気浮上式鉄道,エネルギー貯蔵など,超伝導磁石を使った大規模応用から,超伝導のジョセフソン効果を利用したジョセフソン計算機や高感度磁束計などのエレクトロニクスへの応用など,きわめて重要な実用化が進み始めている。…
※「超流動現象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」