世界大百科事典(旧版)内の身代り地蔵の言及
【地蔵】より
…これに対し,旧仏教側の無住の《沙石集》など阿弥陀にみられぬ地蔵の身近な利益を強調したこともあって,地蔵はむしろ現世利益的な面で民衆に信奉されるようになった。浄土に住まず,人々の間に交わり,大悲をもって罪人の苦を代わり受けるという地蔵の利益は,地蔵が信者の欲する力をもった人間となって現れたり,危難を被りそうになった信者の身代りになってくれるといった,〈身代り地蔵〉の信仰へ発展した。こうして鎌倉時代から室町時代には,地蔵が僧の姿になって信者の看病をしてくれる話とか,信者に代わって田植をしてくれる〈泥付地蔵〉の話などが生まれ,地蔵の治病神・農耕神的性格もみられるようになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」