世界大百科事典(旧版)内の身分解放令の言及
【被差別部落】より
… こうした一連の事態には,政治・社会に対する被差別部落民の対応のしかたに積極的な姿勢が現れてきていたことがうかがえるが,それについては,いちはやく1837年(天保8)の大塩平八郎の乱に際して被差別部落民が参加していたことや,66年(慶応2),維新前夜の第2次長州征伐における被差別部落民の活躍が重視されている。そして明治維新を迎え,71年(明治4)8月28日,ついに維新政府によって,〈穢多非人等ノ称被廃候条,自今身分職業共平民同様タルヘキ事〉という太政官布告(いわゆる〈身分解放令〉)が出されたのである。
【近・現代の被差別部落】
〈身分解放令〉は,江戸幕藩制下での苛酷な差別にあえいできたすべての被差別部落住民,とりわけて〈えた〉〈非人〉と呼ばれた人々にとって,なににも代えがたい朗報であり,これ以後における部落差別反対論に,重大な法的根拠を付与することとなった。…
※「身分解放令」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」