世界大百科事典(旧版)内の車下の鯉の言及
【コイ(鯉)】より
…それは,黄河の竜門をもさかのぼって竜になるといわれた中国古代からの観念をそのまま受容していたことと同時に,都が内陸部に位置して生鮮海産魚の食用が困難であったこと,淡水魚の中では鯉が季節をとわず入手しやすく,かつ,美味であることによるものであった。産地としては《本朝食鑑》(1697)が〈城州淀河を以て第一とす〉といっているように淀川のものがよいとされ,とくに〈車下(くるました)の鯉〉は絶品とされた。これは淀(現,京都市伏見区)の城中の池に水をくみ上げるため,城の北西方の川中に設けてあった巨大な水車の辺でとれるものをいった。…
※「車下の鯉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」