世界大百科事典(旧版)内の農業機械化の言及
【農業】より
…農業生産には,この両行程が同時に併存し,両者の統一として農業生産力の発展・向上が追求されるし,追求されねばならないが,実際には,どちらか一方に偏って農業技術の発達,農業生産力の向上が追求されることが,しばしばである。もっとも,機械・工学的行程の中心である農業機械化についていえば,それが工業と比べて著しく困難で立ち遅れていること,立ち遅れざるをえないことも,農業生産の顕著な特質である。それは,高等動植物を対象・手段とする有機的生産のため,多種多様の異種作業があって,しかもそれぞれ綿密周到な管理労働を必要とすること,季節性の制約のため,同一作業期間が短く機械の遊休期間が長くて,その経済的な使用効率が低くならざるをえないこと,定置式の大型機械を用いる場面は少なく,移動型,走行型の中・小型機械を主とせざるをえないこと,などの理由による。…
【農業機械】より
…したがって1ha当りの稲作労働時間は2000時間をこえていたと推定されている。日本で農業機械化がはじまったのは大正時代である。小型石油発動機(エンジン)や電動機が明治末期に国産されるようになり,まず灌漑や排水に用いられたが,その後,もみすり,精米,製茶,デンプン製造に用いられるようになった。…
※「農業機械化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」