辻取(読み)つじとり

世界大百科事典(旧版)内の辻取の言及

【辻】より

…辻は西洋における広場と対比されよう。【高橋 康夫】
[アジールとしての中世の辻]
 《物ぐさ太郎》に〈男もつれず,輿車にも乗らぬ〉美しい女房を〈女捕(めと)〉る〈辻取(つじとり)〉は〈天下の御ゆるし〉(天下公許)といわれ,夜間に武士が道に出て往来人を無法に殺害して武術の腕を試すことを〈辻切〉(辻斬)といったように,辻はそこで行われた紛争・事件をその場のみで処理する慣習を持つ場であったと推定される。しばしば〈市町路辻〉と並記されたように,市,町,道や河原,中洲なども同じ性格を持つ場であり,やはり広場の機能を持つとともに,アジール(聖域)でもあった。…

※「辻取」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」