辻親(読み)つじおや

世界大百科事典(旧版)内の辻親の言及

【捨子】より

…四十二の二つ子などといって親の厄年に生まれた子供や,鬼子と称し歯の早く生えた子や異形な容姿をした子供,また病弱な子や子育ちの悪い家の子供などを辻や川に捨て,あらかじめ頼んでおいた知人や通行人に拾ってもらい再びそれを実の親が引き取るものである。この拾い手を拾い親・辻親と呼び,仮親の関係を結んで命名や将来の庇護を依頼したり,捨松など子の名前に捨の字を付けたりする場合もある。この習俗は厄など親の悪条件が子に移らぬようかりに親子の縁を切り子どもの健全な成育を願った呪的な儀礼であるが,また捨てられる子供はいずれも普通の子どもとは何かしら異なったスティグマ(聖痕)を負った者たちであった。…

※「辻親」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」