近衛3原則(読み)このえさんげんそく

世界大百科事典(旧版)内の近衛3原則の言及

【東亜新秩序】より

…37年7月7日に勃発した日中戦争は,日本の予想に反して長期戦となり,38年1月16日近衛文麿首相は,〈爾後国民政府を対手とせず〉,日本は〈新興支那政権の成立発展を期待する〉との声明(第1次近衛声明)を発し,国民政府との和平交渉の道をみずから閉ざした。ついで同年11月3日,近衛首相は日本の戦争目的が〈日満支三国〉の提携による東亜新秩序建設にあると声明(第2次近衛声明)し,さらに陸軍の謀略により国民政府反蔣介石派の汪兆銘が重慶からハノイへ脱出した直後の12月22日,日本と〈更生新支那〉との提携の原則は〈善隣友好,共同防共,経済提携〉にあるという近衛3原則を発表した(第3次近衛声明)。東亜新秩序とは,欧米帝国主義と共産主義を東アジアから駆逐し,中国の抗日民族統一戦線を崩壊させ,〈日満支ブロック〉構想にもとづき日本が中国を排他的に独占支配することを合理化するためのイデオロギーであり,のちの大東亜共栄圏構想の先駆をなすものであった。…

※「近衛3原則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android