世界大百科事典(旧版)内の遍歴絵文書の言及
【コデックス】より
…鹿皮,アマテ樹皮紙などに図像や独特の絵文字を描く方法は古典期以降,マヤ地域,オアハカ地方,メキシコ中央高原の原住民が発展させ,各地の有力領主のなかに文書館をもつものもいたが,先スペイン期のものは大部分が破棄・焚書となった。その内容は,先スペイン期のマヤの3絵文書やミステカ系のボルジア絵文書など,メソアメリカで独自に発展した暦法や宗教祭式に関するもの,ミステカのヌッタル絵文書,アステカの遍歴絵文書のような王統譜,年代記類のほか,貢納や土地台帳という実用的なものまで多岐にわたる。植民地初期に行政当局や宣教師の指示でスペイン語のアルファベットを用いて転写,作成されたメンドサ,マグリアベッチ,フロレンシアの絵文書など民族誌的絵文書もあり,征服前後の原住民社会の重要な研究資料となる。…
※「遍歴絵文書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」