世界大百科事典(旧版)内の過放牧の言及
【国連環境計画】より
…砂漠化は広く世界的な土地劣化という枠組みのなかでとらえられているわけだが,その原因として,地球的規模での大気循環の変動によって乾燥地が移動するなどの気候的要因と,乾燥地域や半乾燥地域のもともと脆弱な生態系の中で,その再生産のサイクルの許容限度を超えた人間活動を行うという人為的要因とがあるとされる。人為的要因には,草地の再生能力を超えた家畜の放牧(過放牧),休耕期間の短縮が招く地力の低下(過耕作),薪炭材の過剰な採取などがあげられているが,この問題が深刻なのは,開発途上国の貧因と人口増加を背景に,砂漠化の影響による食糧生産基盤の悪化によってさらに過放牧,過耕作がなされ,次の砂漠化を生んでしまうという悪循環が生じかねないからである。84年と91年のUNEPの評価によれば,その間の砂漠化の状況は改善されておらず,91年現在,砂漠化の影響を受けている土地は36億ha(アジア13億ha,アフリカ10億ha),影響を受けている人口は9億人とされる。…
※「過放牧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」