世界大百科事典(旧版)内の部落改善運動の言及
【被差別部落】より
…部落解放運動は,このような江戸時代以来の差別的処遇の伝流のうえに資本主義化がもたらす諸矛盾が重なって深刻化していく部落差別に目覚め,その撤廃を自覚的に,自主的に推進していこうとする被差別部落住民自身によって,明治20年代の後半から30年代にかけて,しだいに表面化した。
[初期の部落解放運動]
初期の部落解放運動は,いわゆる〈部落改善運動〉として現れた。この運動の基本は,〈一般民〉からの差別の要因として被差別部落の生活実態の酷さ,風俗・教養面での立遅れを重視し,それらを自主的に〈改善〉すべく努力を積み重ねることで自立の基礎を固め,しかるのちに〈一般〉と被差別部落との〈融和〉を広く社会に訴えていこうとする点にあったといえる。…
※「部落改善運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」