世界大百科事典(旧版)内の都市水害の言及
【河川計画】より
…日本の激しかった経済成長が大ダムの建設や建設材料の急激な需要増を招き,それによって河川の様相が一変させられたのである。 また1950年末から70年代にかけて,全国の人口急増都市において新興住宅地を中心に都市水害が目だち始めた。流域内の急激な都市化によって,降雨による流出は以前よりも急激かつ大量になり,従来の河道では負担しきれず,あふれやすくなる一方,新興住宅地は低平地など浸水しやすい土地に建設されることが多く,二重にはんらん水害を受けやすくなったのである。…
【水害】より
…このように水害には種々のものがあり,単独に起こることもあれば,この台風の場合のように同時多発することもある。【中島 暢太郎】
[都市水害]
第2次大戦後の高度成長期以後,急速な都市化に伴って造成された新興住宅地など,都市部において河川のはんらんによる水害が目だってきている。このような水害を一般に都市水害と呼んでいるが,それが顕著に現れたのは,1958年9月26日の狩野川台風における東京,横浜の水害であろう。…
【治水】より
…これに対処するため,前述のダム建設を含む治水事業が,経済復興とともに徐々に行われるようになり,60年代以降大規模水害は著しく減少するにいたった。 しかし,高度成長は著しい都市人口の増加を伴い,都市とその周辺を中心とする土地利用の形態を一変させ,それが新たな都市水害を各地に発生させるにいたった。全国的な宅地開発ブームによって,従来の水田や低湿地などが宅地となり,豪雨時の排水不良とともに,河道への洪水流出量を増加させ,それらが新興住宅地を浸水しやすい土地としがちである。…
※「都市水害」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」