世界大百科事典(旧版)内の釈尊領の言及
【中世社会】より
…やがて鎌倉仏教の広布,その一向専修的傾向が強化されるなかで,この論理は信者集団,その所有する土地財産をふくめた世界にまで拡大していく。戦国時代には,この集団に属するすべての人,財物がすべて阿弥陀仏に帰するという一向宗の仏法領,同じく日蓮宗の釈尊領(しやくそんりよう)という観念が実態化・定着していき,俗的権力,俗的論理の及ばない新しいアジールである寺内町などを各地に生みだした。またこの観念は,俗的権力の強大化という状況のなかで,一向一揆,日蓮宗不受不施派など反権力の戦いの思想的基盤となって結実していったのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」