世界大百科事典(旧版)内の釿始の言及
【建築儀礼】より
…建築工事の着工や主要工程の完成の機会に行われる儀式は,日本だけでなく世界各地に古くからあり,現代でもひろく行われている。そのときに,建築部材に飾りつけをし,酒や食物を供え,祈禱や祝辞を捧げ,式後に祝宴を行うことが一般的に見られる。これらの儀式は建築工事の安全を祈るだけでなく,建築の永続,ひいては建築主である家族や共同体の将来の幸福を祈るという意味が含まれている。建築儀礼は新築工事だけでなく,屋根の葺替えや住居の移転の機会にも行われ,また橋梁などの土木工事や造船工事の際にも,渡りぞめ,進水式などの類似の儀式が見られる。…
【釿】より
…中世に樵(きこり),杣(そま)と大工の仕事がわかれて以来,釿は大工仕事の最初の工程に使われる工具として,墨壺とともに大工の最も重要な工具であった。釿始(ちようなはじめ)(木造始(こづくりはじめ))は建築儀礼の一つで,建築物の起工式のこと,また古くは木匠の家で新年に仕事始として行う儀式をいった。釿は大工道具としてだけでなく,臼など刳り物にも使われてきた。…
※「釿始」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」