世界大百科事典(旧版)内の鈍根瘂羊僧の言及
【三階教】より
…三階とは正法,像法,末法の3段階であり,現在が第3段階の末法時代に属することをいう。この汚濁にみちた悪世では,われわれ衆生は愛憎の偏見からぬけられない破戒邪見の,救われがたい鈍根しかもたず,僧侶自身も同じく愚劣な羊のごとき存在(〈鈍根瘂羊僧(どんこんあようそう)〉とよぶ)でしかなく,そのことを僧も衆生も徹底的に自覚すべきだと主張する。 その説によれば,阿弥陀仏とか盧遮那仏(るしやなぶつ)とかの特定の仏や,《無量寿経》とか《華厳経》など特別の経典(〈別仏〉〈別法〉という)を選び出し,これに帰依することによって救われたのは,二階までの善根をもった衆生であって,三階の鈍根衆生にはもはやその資格はない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」