鉄鋌(読み)てってい

世界大百科事典(旧版)内の鉄鋌の言及

【鉄器】より

…4世紀末には鋸・鉇・斧などの木工具に技術革新があり,5世紀中葉には武器,武具,農工具ともに新しい型式の器種が導入されるとともに,鍛造技術や鋲留(びようどめ)技法など鉄器加工技術の進歩があり,朝鮮半島から渡来した技術者の役割が大きかったことを示す。この時期に鉄鋌(てつてい)とよぶ短冊形の板に規格化された鉄素材が古墳から出土し,朝鮮の鉄原料の利用も活発であったと考えられるが,同時に鎚(つち)・鉗(かなはし)・鉄床(かなとこ)などの鍛冶道具や鉄の製錬滓の古墳副葬が5世紀に始まることから,この時期に鉄の製錬と鉄器の生産に大きな変革を認めることができる。また奈良時代以降の製鉄炉の調査例は各地で増加し,この時期に生産体制が安定したことを示すが,鉄鋌や鍬,鋤が調の品目となったり,季禄として官人に支給されるなど,鉄器が米とともに貨幣に代わる役割を果たしたことも注意すべきであろう。…

※「鉄鋌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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