鋤鼻器官(読み)じょびきかん

世界大百科事典(旧版)内の鋤鼻器官の言及

【嗅覚】より

…前者を視床経由嗅覚系経路,後者を視床下部経由嗅覚系経路と呼ぶ。一方,鋤鼻(じよび)器官(ヤコプソン器官)をもつウサギなどでは,嗅球から前梨状皮質,髄条,視床背内側核,眼窩前頭皮質に達する経路と,鋤鼻器官から副嗅球に入り扁桃核,分界条を経由して視床下部に達する二つの経路がある。そして高位の神経細胞ほど,反応しうるにおいの種類数が減少する傾向があり,最終の眼窩前頭皮質の神経細胞は,ほぼ1種のにおいにしか反応できない。…

【口蓋】より

…なお,大半の哺乳類の口蓋の前部には,これを貫いて口腔と鼻腔をつなぐ鼻口蓋管という1対の管が開口する。この管の途中には,ヤコプソン器官または鋤鼻(じよび)器官(両生類以上の動物がもつ)とよばれる一種の嗅覚器が位置している。ヒトを含む霊長類ではこの器官は胎児期に発生するが,そののち退化消失し,鼻口蓋管は口蓋の骨格,つまり骨口蓋の前部にある切歯管としてなごりをとどめている。…

【ヤコプソン器官】より

…発見者ヤコプソンL.L.Jacobson(1783‐1843)にちなんで名づけられ,鋤鼻(じよび)器官vomeronasal organともいう。陸上四足動物の鼻腔の一部が左右にふくらんでできた囊状の嗅覚器官で,嗅球の後部内側の副嗅球からのびた鋤鼻神経に支配される。…

※「鋤鼻器官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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