世界大百科事典(旧版)内の関連構文の言及
【シンタクス】より
…さらに,近年では,当該の文だけを見るのではなく,[4]〈関連諸構文との関係〉というとらえ方が盛んになり,これによって研究はにわかに充実の度を加えてきた。関連構文とは,当該の文と文法上の関連を認め得る文や句(ごく単純な例としては能動文に対する受動文など)のことである。たとえば,(i)(a)John persuaded Mary to come to the party.と(b)John wanted Mary to come to the party.とは同じ文型のように見えるが,(a)に関しては関連構文として受動文Mary was persuaded by John to come to the party.が作れるのに対し,(b)に関してはそれができない(Mary was wanted by John to come to the party.とはいえない),また(ii)(c)〈招待した村長が遅れて来た〉という文の(d)〈招待した村長〉という句は,(e)〈(誰かが)村長を招待した〉という文の関連構文である場合と,(f)〈村長が(誰かを)招待した〉という文の関連構文である場合と,二つの可能性がある(すなわち(e)(f)の二通りにとれる),というように,関連構文への考慮が必要あるいは有効な場合は数多い((i)(ii)はともに基礎的な一例にすぎない)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」